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一日保育士体験レポート


一日保育士体験のエピソードを掲載しています。

掲載されています個人名は、仮名にしています。

 

【1】おとーしゃん、ありがとう


 

 今日の保育士体験は、3歳児クラスのふうかちゃんパパ。でも、パパはあまり乗り気では

 ありません。

 

 朝、保育園に来るなり園長に「なんで保育士体験なんか、やらなきゃいけないんだ!」と

 不満げに訴えてきました。「まあまあ、お父さん。たった1日ですし、楽しんでくださいね」

 と園長。むっとした表情の まま、パパはふうかちゃんと一緒に保育室に行きました。

 

 保育室に入ったパパは、あっという間に子どもたちに囲まれます。

  「ねえねえ、遊んで!!」

  「ふうかちゃんのパパ!こっちに来て!」

  「やーん、ふうかのパパだよ!!!」

 と大人気。なんだかパパも照れくさそう。

 気がつけば、子ども達と一緒に園庭で鬼ごっこをしていました。

 

 時間はどんどん過ぎ、お給食も食べ、次はお昼寝です。保育士がしているように、見よう

 見まねでふうかちゃんを寝かしつけようと、パパがやさしくトントンしていたらお布団の中

 から、ふうかちゃんが

  「おとーしゃん、ありがとう」と一言。

 

 それを聞いたパパ。その場でポロポロと涙がこぼれていました。

 

 体験後、「今日は、感動した!本当に来てよかった!子どもがいてくれてよかった!」と

 園長に熱く語ってくれたパパでした。

 


【2】子育ての技、ここにあり


 

 こばとくん(4歳児)のママ。

 元気がいっぱいのこばとくんをちゃんと育てようと、送迎時に、こばとくんにたいして

 あれこれ口を出している姿がよく見られます。時には、言うことを聞かないこばとくんに

 怒鳴ってしまうことも…。

 

 そんなママが保育士体験にやってきました。

 担当保育士たちはちょっとドキドキ。やんちゃなこばとくんに、ママが怒っちゃったら

 どうしよう。そんな不安がありました。

 

 園庭で遊ぶ時も、お絵かきをする時も、お給食の時も、お昼寝の時もママはじっとこばとくん

 の様子を見ています。同じクラスの子ども達ともふれあいながら、時折笑顔も見られたママ。

 穏やかに一日が過ぎていきました。

 

 体験を終えて、アンケートを書くために職員室に来てくれたママ。

 「今日はいかがでしたか?何か気になったことなどないですか?」という園長の問いかけに、

 

 「子どもって、怒鳴らなくても育てられるんですね。」

 

 「今日一日、参加させていただいて、先生方が子どもたちに対して、怒鳴ったりすることなく

 子ども達自身で行動できるような声かけをしているのを見てああ、こういうふうに言えば

 いいんだな、って。」

 

 「私、ちょっとこばとに言いすぎていたみたいですね。こばとがいろいろ自分でやれるんだ、

 ってこともわかりました。」と話してくれたママは、晴れやかな顔をしていました。

 

 体験後、送迎時にこばとくんとにこにこしながら一緒にいるママの姿が見られるように

 なりました。

 


【3】保育をする自信にもなります


 

 保育士3年目のたまこ先生。

 子どもと一緒に外で遊ぶことが大好きです。子ども達もたまこ先生が大好き。いつも

 「鬼ごっこしよう!」「ドッヂボールしよう!」と引っ張りだこです。

 

 今日も元気いっぱいに、外で遊んでいた時に子どもが転んで怪我をしてしまいました。

 

 怪我自体は軽く、子どもも平気そうだったので、応急手当をして様子を見ることに。お迎えに

 来たママに、怪我の状況と対応について伝えるとこう言われました。

 

 「お金を払って預けているのに、本当にちゃんと見てくれているんですか?」

 

 その言葉にショックを受けたたまこ先生。主任の先生に報告をしたところ、対応の仕方に

 問題ないから大丈夫だと言われたのですがママの一言が重くのしかかり、そのママはもちろん

 のこと、他の保護者に対しても話をするのがだんだん怖くなってきました。

 

 そんなある日。そのママが保育士体験にやってきました。不安な気持ちを持ちながら、

 たまこ先生の一日が始まりました。

 

 はじめはそっけない態度だったママも子どもたちに囲まれて、楽しそう。たまこ先生も

 子ども達といつもどおりの保育生活を送るうちにママの存在がそんなに気にならなくなって

 きました。

 

 さぁ、今日も元気に外遊び!子どもたちに誘われてママも汗だくになりながら遊んで

 くれました。遊び終わって、保育室に入ろうとしたとき、ママがたまこ先生に「子どもの

 パワーってすごいですね!先生、これ毎日見てくれているんでしょ?本当にありがとう

 ございます!」と笑いながら言ってくれました。

 

 なんだか照れくさいような嬉しいような気持ちのたまこ先生でした。

 


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